インフラメンテナンスの危機!2030年問題にAIと位置情報を活用する
わが国の生産年齢人口は1995年をピークに減少傾向にあります。近年では女性や高齢者の就業率向上により就業者全体は増加傾向にありますが、インフラメンテナンス業界では今後大きな問題が予測されています。
2024年、2025年、2030年問題とは?
- 働き方改革関連法
- 工作物の建設の事業
- 医業に従事する医師
- 鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業
- 自動車運転の業務
- 2025年問題とは
- 2030年問題とは
- インフラメンテナンス危機の代表的な事象
- 勤怠管理にかかる手間の増加
- 工事の遅れ
- 工事コストの増加
- 災害対応・老朽化インフラの改善の遅れ
- 解決策の例
働き方改革の一環として、労働基準法が改正(主に残業規制)されました。時間外労働の上限が法律に規定され、2019年4月(中小企業は2020年4月)から適用されています。
長時間労働の背景に、業務の特性や取引慣行の課題があることから、時間外労働の上限について適用が5年間猶予されている業務は以下の通りです。
インフラメンテナンスに関連するのは「工作物の建設」にあたります。これ以外にも、社会基盤全体に大きな影響があるのが2024年問題といわれています。
いわゆる「団塊世代」が75歳以上の後期高齢者になると言われています。日本が超高齢化社会へ突入し、インフラ・建設業界への影響も避けられない見込みです。
経済産業省のまとめによると、電力インフラメンテナンスの重要職種である「電気主任技術者」の高齢化と人員不足が急速に進むと予測されています。再生可能エネルギー関連工事などの増加に伴い、電気主任技術者の需要が増えるのとは逆に、人員供給は減少が予測されており、2030年での人員不足は決定的になっています。
インフラメンテナンス危機が具体化すると、以下の事象が起きると予測されています。
上記から分かるように、インフラ企業の経営問題のみならず、社会基盤を揺るがす問題になっています。
国土交通省では、予想される問題に対して改善策を提示していますが、そのうちの一つとして「遠隔臨場」の推進があります。今まで実際に現場に出向いて確認していた業務を、ビデオ通話等の技術で遠隔で行うことを遠隔臨場と呼びます。
インフラ業界の生産性向上にGPTが活用できるか
- 生成AIとは
- 生成AIのインフラメンテナンス業での活用事例
- 2022/5/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井,問題なし
- 2022/6/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井,問題なし
- 2022/10/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井,問題なし
- 2022/11/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井,問題なし
- 2022/12/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井,異常あり, 絶縁体の交換が必要
- 2022/6/20 10:00 広告張り替え, 作業者は木村,JRの広告を貼り付け
- 2023/3/23 10:00 広告張り替え, 作業者は鈴木,町アドの広告を貼り付け
- 2022/12/7 10:00 修理, 作業者は加藤,修繕完了, 部品交換を実施
- 2023/6/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井, 未実施
- 2023/7/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井, 未実施
- 2023/8/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井, 未実施
- 2023/9/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井, 未実施
- 2023/10/1 10:00 定期点検, 作業者は荒井, 未実施
生成AIとは、訓練されたデータに基づき、テキスト、画像、動画、プログラミングコード、データなどの出力を生成するAIのことです。現在、主流なのはインターネット上の
大量のデータに基づき大規模言語モデルと呼ばれるモデルを訓練し、これに入力を与える方式です。
生成AIはなんでもできるということではなく、できることとできないことがあります。
弊社での試行として、以下のログデータをGPTに読み込ませ、どの程度Q&Aが出来るのか確認してみました。
過去1年間にあなたを訪問したリストは以下の通りです。
今後の訪問予定は以下のリストの通りです。
・・・
2022年12月1日に絶縁体の交換が必要となり、その後、同月7日に加藤さんによる修理が行われ、部品交換が実施されたとの情報がありますが、それ以外の部品交換については、記録に残っていない可能性があります。
もし、特定の部品についてご心配がある場合は、運営会社にお問合せいただくことをお勧めします。
これらの試行の中で以下のような知見を得ました。
- 従来のAIではデータのフォーマットや管理方法に多くの工夫が必要だった
- GPTは今ある大量のデータから知りたい情報を探したり要約することが得意
- 過去の作業予定・実績データから曖昧な質問への回答が可能に
- 新しくデータを作成したり管理する必要はなし!
- 最新情報が多く、ルールの作成など取り扱いには別の工夫が必要
生成AI(GPT)を利用することで、ベテランが蓄積してきたデータを有効活用して生産性を向上できる可能性は十分にあることがわかりました。上記のようなGPTの活用は、デスクレスワーカー(現場で活躍するビジネスパーソン)に幅広く利用されている、ビジネスチャット「Linkit」で実現することが出来ます。
位置情報を活用した生産性向上の事例
次に、位置情報を活用した生産性向上の事例について説明します。例として、位置情報アプリLinkitMapsを取り上げます。
- ニーズに合わせて選べるスマホ・GPS端末での高精度な位置情報測位
- 費用対効果が出しやすい、低価格構成
- 誰でもかんたんに使えるわかりやすい操作画面
- リアルタイム位置情報と電柱位置の管理
- 位置情報の共有とチャットコミュニケーション
- 気象警報の共有と通知
- スマホと専用GPS端末で選べる位置情報送信
- 拠点別・事業所別に位置情報の共有管理
- 移動履歴がひと目で分かる
- 作業員の安全管理のための気象警報機能
- データを活用した分析とAI活用(カスタマイズ)
- インフラ業界の2024年・2025(2030)年問題が迫っている
- 課題解決のためにDXによる生産性の向上が有効
- GPTは物流業界の生産性向上に使える(ただし工夫が必要)
- 安価な位置情報アプリ(Linkit Maps)で生産性向上の結果が出ている
- Linkit MapsではGPTをはじめとしたAIの組み込みにより新しい価値を生み出す
東北電力ネットワーク様では、Linkit Mapsにより、作業員のリアルタイムの位置情報を把握した上で、要改修個所に最も近い作業員へ指示を出すことが可能になり、作業員と作業場所が効率よくマッチングされ、保守・保安業務における対応の迅速化を実現しました。
高岡ケーブルネットワーク様では、位置情報を起点としてチャットや音声通話でコミュニケーションが簡単に出来るようになり、現場とのやり取りや、お客様問い合わせ対応が効率化しました。
LinkitMapsでは、大雨洪水や土砂災害等の気象警報をほぼリアルタイムで気象庁から取得、共有が可能です。また、警報地域にいるメンバーとその上司に被害状況の通知を行うことで現場の安全管理に役立てることが出来ます。
このように、LinkitMapsでは以下の特徴によりインフラメンテナンスの生産性向上に寄与しています。
まとめ
この記事では、インフラメンテナンスの危機についてその内容、対応策について以下の内容を記載しました。この記事がインフラメンテナンス業の皆様のお役に立てますと幸いです。
Linkit MapsはスマホのGPS情報と、作業員のステータスをリアルタイムに共有できます。