2023.06.20 屋内位置情報

コロナ禍を経て最適化された働き方と新たな課題。ビーコン打刻による打刻忘れ・打刻漏れの解決法

はじめに

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大から3年、ようやく世界は一息つくことができる2023年となりました。長期化したパンデミックへの対策として、テレワークやリモートワークが急速に普及しました。次第にコロナも収束へ向かい、オフィスへ出社する人、テレワークをする人が混在する新たな働き方へと移行しつつあります。従業員のニーズに合わせた働き方へ最適化していく中で、勤怠管理に対する課題を感じている方も少なくはないでしょう。

その中でも、出社時のタイムカードの「打刻忘れ」や「打刻漏れ」が増えており、個々の労働者だけでなく、労務管理者を悩ませる種となっています。

勤怠管理は、企業にとって必要不可欠な業務の一つです。従業員の労働時間を把握することで、適切な給与計算を行い、残業の管理をするなど、法令遵守の一環となります。しかし、特に出社時の打刻漏れが増えると、それらの管理が困難となり、法令違反につながるリスクが増大します。そのため、企業は打刻漏れや打刻忘れを防ぐための対策を講じる必要があります。

この記事では、そんな問題に対する対策を紹介します。

リモートワークによる打刻方法の変化と課題

これまで、多くの企業では、従業員の勤怠管理にはタイムカード、ICカードによるタイムレコーダーを使用してきました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークやフレックスタイム制度の導入が進み、出社時間が従来とは異なるパターンを持つ従業員が増えました。その結果、出社時の打刻を忘れる従業員が増える傾向にあり、これが勤怠管理の負担増となっています。

加えて、タイムカードを使った従来の勤怠管理システムは、毎日の出勤時や退勤時に打刻する操作を忘れてしまうことや、忙しさのあまりに意識の低下による打刻漏れといったヒューマンエラーを防ぐための機能が十分に備わっていないため、管理者の負担が増大します。

打刻忘れ・打刻漏れにより生じる様々な課題

  1. 給与計算の誤り
  2. 打刻漏れがあると、働いた時間が正確に記録されず、それが給与計算に影響を及ぼす可能性があります。これは、労働者にとって不利益になり、給与不足につながる可能性があります。

  3. 法令遵守の問題
  4. 打刻漏れは労働時間の記録に問題を生じさせ、これは労働基準法などの法令遵守に影響を及ぼす可能性があります。

  5. 無駄な稼働とストレスの増加
  6. 打刻漏れによる従業員の修正申請、管理者の確認承認作業、そして人事部門の負担が増大し毎月無駄な稼働時間とストレスを生みます。

  7. 残業の誤った計算
  8. 打刻漏れがあると、残業時間が正確に計算されず、働いた時間に対する適切な補償がない場合があります。

  9. 過労のリスク
  10. 打刻漏れにより、一部の労働者が過度の時間労働をしている可能性を見落とすリスクがあります。

リモートワークにおける打刻忘れ・打刻漏れの解決策

  1. リマインダー機能を活用する
  2. カレンダーアプリやタスク管理アプリなどのリマインダー機能を活用することで、打刻忘れや打刻漏れを防ぐことができます。特に、リモートワークでは自宅やカフェなど、勤務場所がオフィスとは異なるため、打刻のリマインダーが有用です。

  3. 打刻のルールを明確にする
  4. 勤怠管理のルールを社内で明確に共有し、全員が理解できるよう定期的な周知を行います。
    周知後も打刻の意識はだんだんと下がっていくため、張り紙等による日々の意識向上も有効となります。

  5. マネージャーによる定期的なチェック
  6. 上司やマネージャーが定期的に勤怠記録をチェックし、打刻漏れがないかを確認します。
    勤怠の記録は法令上必須であるにもかかわらず、従業員の意識低下や業務の逼迫等によりどうしても打刻漏れをゼロにすることは難しいのが現状です。

  7. 打刻機の選択肢を増やす
  8. ICカード打刻、スマホ打刻、PC打刻など様々な打刻方法を用意し従業員の働き方に合った方法を選択できるようにするのも1つの手でしょう。

  9. デジタル化による勤怠管理
  10. オンライン勤怠管理システムを導入することで、リモートワークでも打刻忘れ・打刻漏れを防ぐことが可能です。このシステムは、勤怠時間を自動的に記録し、適切な休憩時間を確保するためのリマインダー機能なども備えています。これにより、正確な労働時間の把握と、法令順守が可能になります。

  11. ビーコンを用いた自動打刻システムの導入
  12. ビーコンは、Bluetoothを用いた位置情報サービスの一つです。ビーコンを用いた自動打刻システムを導入することで、勤務開始・終了時にPCやスマートフォンがビーコンの範囲内に入ったり出たりしたことを検知し、自動的にタイムカードを打つことができます。これにより、打刻忘れや打刻漏れを防ぐことができます。

WAVEE+|キーホルダー型ビーコン

企業が取り組むべき「ビーコン打刻」とそのメリット

打刻忘れの解決策として今注目されているものの1つが、ビーコン打刻です。

ビーコンは、Bluetoothを利用したデバイスで、オフィスの入口等に小型の受信機を設置して使用します。従業員がビーコンと呼ばれる小さなデバイスを持ってオフィスの入り口の近くを通過すると、自動的に打刻される仕組みです。

ビーコン打刻には以下のようなメリットがあります。

  1. 自動打刻
  2. 従業員が出勤・退勤時にタッチする必要がなく、ビーコンが自動的に専用デバイスと通信して勤怠情報を記録します。

  3. 正確性
  4. 人為的なミスや不正行為が減るため、記録の正確性が向上します。また、従業員が出勤・退勤時刻を忘れることがなくなり客観的なデータとして活用でき、法令順守の観点でも有効です。

  5. 導入コスト・メンテナンスコストが低い
  6. 従来のタイムカードや指紋認証システムに比べ、設置費用やメンテナンスコストが低く抑えられます。ソーラー式のビーコンであれば電池交換すら不要で使い続けられます。

  7. 管理業務を効率化
  8. 勤怠データの集計や分析が容易になり、管理者が業務に集中できるようになります。

  9. リアルタイム情報
  10. ビーコンを用いたシステムでは、リアルタイムで出勤・退勤情報が取得できるため、その日出勤している人、していない人がわかります。

  11. 設定、学習不要
  12. ビーコンは小さなタグを持つだけで良く、細かな設定や操作などが不要なためどなたでもかんたんに利用できます。

  13. 非接触で感染症対策
  14. ビーコンによる打刻は非接触式なので、感染病の予防にも寄与します。

新型コロナウイルスの感染拡大は、多くの企業にとって様々な課題をもたらしましたが、その一方で、働き方改革やデジタル化の推進など、新たな可能性を切り開くきっかけともなりました。今後も、企業は変化する環境や新たな課題に対して柔軟に対応し、労働者の健康と安全を守りながら、業務効率化を進めることが求められます。ビーコン打刻システムの導入は、その一つの手段と言えるでしょう。

しかし、新システムを導入する際には、その運用や管理方法も重要な課題となります。
ビーコン打刻を導入するには以下のようなことを検討する必要があります。

ビーコン打刻システムを導入するときに配慮すべき4つのポイント

ポイント1:ビーコン打刻システムの使いやすさ

ビーコン打刻システムが複雑で使いにくいと、従業員がそれを適切に使用するのが難しくなります。直感的で使いやすいシステムを選ぶことが、打刻忘れ・打刻漏れの防止につながります。

ポイント2:ビーコンを携帯する運用の理解

ビーコンに対して細かい設定や操作は不要ですが、常に持ち歩いていただく必要があるため従業員からの理解を得る必要があります。
ビーコンは位置情報を検知する技術ですので、プライバシーの観点から配慮が必要です。ビーコンを使用して個人の動きを追跡することは避け、位置情報の取扱いに関するルールを明確に伝えることも重要です。

ポイント3:受信機の設置場所

ビーコンの設置場所は非常に重要です。ビーコンの電波を受信する機器を建物の入り口付近に設置するのが一般的ですが、入り口の数だけ必要になるため、出入口の数を把握する必要があります。
また、ビーコンの範囲外で働いている場合、誤った打刻が行われる可能性があります。
最適な設置場所を検討するとともに、受信機の電源の確保、通信手段(Wi-Fi等)の確認も必要になります。
但し、設置する機器は小さいものが多く、工事など不要なため気軽に導入可能です。

ポイント4:技術的な問題の対応・サポート体制

ビーコン技術について理解し、その限界と問題点を把握しておくことが重要です。例えば、ビーコンの電池が切れてしまった場合や、Bluetooth接続に問題が発生した場合など、技術的なトラブルが発生した際の対応策を準備しておくべきです。

Linkti勤怠なら、4つのポイントを抑えつつ最適な設置場所・運用方法のアドバイスから導入後の技術的なサポートまでまるっとご支援

従業員はビーコンを持ち歩いているだけで自動で出退勤が記録可能

出勤時、会社に着いたときに自動で出勤
退勤時、会社を出るときに自動で退勤

従業員はビーコンを携帯して事業所内の特定エリアにいるだけで、出退勤時間が自動的に記録されます。従業員の打刻の手間が省けるだけでなく、打刻忘れや勤務時間の改竄を防止でき、労働時間の客観的な記録として活用することができます。また、PCやスマートフォンが不要なため、店舗や工場・倉庫などのデスクワーク以外の職場でも利用することが出来ます。

管理者が分析しやすい直感的に使えるわかりやすいサービス画面

ビーコン自動打刻「Linkit 勤怠」

ビーコンの設定はとてもかんたん。従業員にビーコンのIDを紐づけるだけですぐに利用できます。ビーコンの持ち主を変えたり、紛失時に新しいビーコンに変更するのもかんたんに行えます。
そのため年度末や月末月初の人事異動にも大きな手間がかかりません。

会社の図面をもとに最適な受信機の設置場所をご提案

ビジネスチャット「Linkit チャット」

出入り口の数や従業員の出退勤の流れは会社ごとに異なります。お客様の環境にあわせて丁寧にヒアリングした上で最適な受信機の設置場所をご提案いたします。
無料でお試し利用もできるため、試しながら受信機の数を増減するなど後から調整することも可能です。

技術スタッフが専門的な知見をもとに導入支援から導入後の運用方法までをサポート

ビーコン打刻に詳しい専門のスタッフが導入前の課題のヒアリングから、導入後どのように運用していけば良いかのアドバイスまでトータルサポートいたします。
機器のトラブル対応や操作方法のレクチャーも電話やメールで行っており、安心して導入いただける体制を作っています。

さまざまな勤怠システムとデータ連携が可能

AMANO「TimePro-VG/NX」

AMANO「TimePro-VG/NX」

チームスピリット

チームスピリット

キングオブタイム

キングオブタイム

勤革時

勤革時

API、CSVなど柔軟な連携方法で勤怠管理システムと容易に接続可能ですので、対応する勤怠システムを利用中の企業は、「Linkit 勤怠」のゲートウェイを設置して「エリ探 勤怠」のビーコンを従業員に配布するだけで、月額サービスとして利用開始することが出来ます。「Linkit 勤怠」は、現在、 アマノ株式会社が提供している「TimePro-VG/NX」、株式会社チームスピリットが提供している働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit(チームスピリット)」、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供している「KING OF TIME(キングオブタイム)」、NECが提供している「勤革時」に対応しております。今後、対応する勤怠管理システムを拡充していく予定です。

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まとめ

ビーコン打刻システムサービスは、導入にあたって工事も必要なく、容易に導入しやすいという特徴があります。導入のかんたんさに反してヒューマンエラーを減らす効果は大きく、従業員の働き方や生活スタイルによりフレキシブルに対応するための一助となります。自動化とデジタル化を進めることで、企業は従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、働きがいのある環境を提供できるでしょう。

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