2026年労働基準法改正は確定?議論の論点と、企業が今備えるべき勤怠管理の実務

目次
- 1 2026年労基法改正は確定しているのか
- 2 なぜ「40年ぶりの労基法改正」と言われるのか
- 3 厚生労働省の研究会・審議会で何が議論されているのか
- 4 2026年改正で想定される主な改正内容【一覧】
- 5 企業が誤解しやすいポイント
- 6 法改正を待つ企業が直面するリスク【現行法の話】
- 7 過去の労基法改正で、企業はどんな失敗をしてきたのか
- 8 勤怠管理の問題が起きやすい業態とは
- 9 なぜ勤怠管理が「法改正対応の中心」になるのか
- 10 「説明できる勤怠管理」とは、具体的にどんな状態か
- 11 勤務実態を補足できる手段として注目されている「ビーコン勤怠」
- 12 よくある質問(FAQ)
- 13 まとめ|2026年労基法改正に向けて企業が今やるべきこと
- 14 自社の勤怠管理は「説明できる状態」になっているか?
- 15 Linkit勤怠を無料でお試ししませんか?
2026年労基法改正は確定しているのか
「2026年に40年ぶりの労基法改正が行われる」
このような情報を見て、労務・総務、あるいは営業責任者として不安を感じ、検索した方も多いのではないでしょうか。
結論から整理すると、2026年施行が確定した労働基準法改正は、現時点では存在していません。
労働基準法改正案は国会に提出されておらず、施行時期も確定していません。一部では「見送り」「先送り」の可能性も報じられています。
しかし、それにもかかわらず「2026年 労基法改正」というキーワードで検索が増えているのはなぜでしょうか。
それは、労基法改正そのものよりも、企業に求められる労働時間管理や勤怠管理の水準が、すでに変わり始めているからです。
企業対応として重要なのは、「改正が確定したかどうか」ではなく、現行法のもとで自社の労働時間管理・勤怠管理が説明できる状態にあるかです。

なぜ「40年ぶりの労基法改正」と言われるのか
今回の労基法改正議論が「40年ぶり」と言われる背景には、1987年(昭和62年)の労働基準法改正があります。
このとき、
- 週48時間労働から40時間労働への移行
- 変形労働時間制
- 裁量労働制
など、現在の労働時間制度の基礎が整えられました。
それから約40年が経過し、働き方は大きく変化しました。
- テレワークの普及
- 副業・兼業の増加
- 客先常駐やアウトソーシングの拡大
- 派遣・請負など雇用形態の多様化
こうした変化に対し、現行の労働基準法や労働時間管理の考え方が十分対応できているのかという問題意識が、厚生労働省の研究会や審議会で繰り返し議論されています。
厚生労働省の研究会・審議会で何が議論されているのか
労基法改正に向けた議論は、主に厚生労働省の研究会・審議会で行われています。
研究会では、労働時間制度の課題や将来像が整理され、審議会では、労使双方の意見を踏まえた制度設計の検討が行われます。
ここで重要なのは、議論が長期化している理由です。
それは、単なる制度改正ではなく、労働時間管理の考え方そのものをどう変えるかが問われているからです。
企業の立場から見ると、「改正内容が決まらないから対応できない」のではなく、 「現行法のもとで、どこまで対応できているか」がすでに問われている段階に入っています。
2026年改正で想定される主な改正内容【一覧】
現時点で確定した改正内容はありませんが、研究会・審議会で繰り返し議論されている論点は以下のとおりです。
- 労働時間の客観的把握
- 連続勤務・休日の見直し
- 勤務間インターバル
- 副業・兼業と労働時間通算
- 労働時間外連絡(つながらない権利)
労働時間は、自己申告だけでなく、客観的な記録を基礎として把握することが原則とされています。
勤怠管理のあり方そのものが、企業対応として問われています。
長期間にわたる連続勤務が健康リスクにつながることから、休日の確保や連続勤務日数の考え方が議論されています。
勤務終了から次の勤務開始までの休息時間を確保する制度です。
現時点では努力義務が中心ですが、制度化の是非が検討されています。
副業・兼業が広がる中で、労働時間の通算管理や割増賃金の扱いが複雑化しています。
業務時間外の連絡が、実質的な労働に該当するかどうかが論点となっています。
これらはいずれも、勤怠管理・労働時間管理を企業に強く求める内容です。
企業が誤解しやすいポイント
労基法改正の議論で取り上げられている論点について、企業側が誤解しやすい点も整理しておく必要があります。
まず「労働時間の客観的把握」について、ICカードやWeb打刻を導入していれば問題ない、と考えているケースがあります。しかし実際には、記録と実態が乖離していないかが問われます。打刻があっても、業務実態を説明できなければ不十分と判断されることがあります。
副業・兼業についても、「本人申告だから管理できない」と考えがちですが、使用者責任が完全に免除されるわけではありません。労働時間通算の考え方や、割増賃金の整理ができていない場合、リスクは残ります。
また、テレワークについては「管理が難しいから対象外」と誤解されることがありますが、実際にはテレワークであっても労働時間管理は必要です。
管理が難しいからこそ、どのように管理しているかが問われます。
これらの誤解に共通しているのは、「制度を導入しているか」だけで安心してしまい、運用や説明責任の視点が抜けている点です。
法改正を待つ企業が直面するリスク【現行法の話】
「法改正が確定してから対応すればいい」と考える企業もありますが、これは危険です。
なぜなら、使用者責任はすでに現行法のもとで問われているからです。
- 労基署による是正指導
- 未払い残業代・割増賃金請求
- 元請企業からの労務監査
これらの場面で問われるのは、「法改正に対応しているか」ではなく「現行法で説明できるか」です。
過去の労基法改正で、企業はどんな失敗をしてきたのか
労基法改正が議論されるたびに、「今回は様子を見よう」「まだ猶予があるはずだ」と判断し、結果的に後手に回った企業は少なくありません。
直近で多くの企業が経験したのが、2019年のいわゆる「働き方改革関連法」への対応です。
当時も、法改正の内容自体は数年前から公表されていました。しかし実際には、
- 36協定を形式的に締結しただけで、運用を変えなかった
- 勤怠管理は従来どおり自己申告のまま
- 「中小企業は猶予がある」と誤解して準備を進めなかった
といった企業が多く存在しました。
結果として起きたのが、
- 労基署からの是正指導
- 未払い残業代の遡及請求
- 元請企業からの労務管理是正要請
です。
重要なのは、これらの多くが「改正条文そのもの」ではなく、改正をきっかけに顕在化した“従来からの勤怠管理の問題”によって発生している点です。
今回の2026年労基法改正議論も、構造はよく似ています。
改正が確定するかどうかに関わらず、労働時間管理や勤怠管理の説明責任は、すでに企業側にあります。
「改正を待つ」という判断そのものが、過去の改正対応では最大の失敗要因だった――
この事実は、今回も変わらないと考えるべきでしょう。
勤怠管理の問題が起きやすい業態とは
勤怠管理の問題は、特定の業態で顕在化しやすい傾向があります。
- 客先常駐型ビジネス(SES)
- アウトソーシング
- 派遣・請負
- テレワークと出社の混在
これらの環境では、自己申告ベースの勤怠管理になりやすく、 労働時間の実態と記録が乖離しやすいという構造的な問題があります。
なぜ勤怠管理が「法改正対応の中心」になるのか
労基法改正の議論を細かく見ていくと、最終的に行き着くのは「労働時間をどう管理し、どう説明するか」という実務の問題です。
制度改正の内容がどのような形になったとしても、企業に共通して求められるのは次の3点です。
- 労働時間を適切に管理しているか
- 労働時間を客観的に把握できているか
- 勤務実態を第三者に説明できるか
これらはすべて、勤怠管理の運用状況によって判断されます。
実際、労基署による是正指導や、取引先からの労務管理チェックにおいても、 最初に確認されるのは就業規則や制度設計ではなく、 日々の勤怠記録と実態との整合性です。
どれだけ制度上は問題がないように見えても、 勤怠管理の記録が曖昧であったり、実態を説明できなかったりすれば、 企業側の管理責任が問われる可能性があります。
このように、労基法改正への対応は、 新しい制度への「対応可否」ではなく、 既存の勤怠管理・労働時間管理が説明責任に耐えうるかどうかが本質となっています。
そのため、法改正の議論が進むほど、企業の実務では「勤怠管理をどう見直すか」が中心的なテーマとして浮かび上がってくるのです。
「説明できる勤怠管理」とは、具体的にどんな状態か
ここまで見てきたとおり、労基法改正対応において重要なのは「勤怠管理をしているか」ではなく「説明できるか」です。
では、説明できる勤怠管理とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。
多くの企業が見落としがちですが、説明責任が問われる場面では、次のような点が整理されている必要があります。
- いつ、どこで勤務していたのか
- 勤務開始・終了の判断根拠は何か
- 自己申告と実態がズレていないか
- 上長や会社として、どのように把握していたか
単に「本人がそう申告している」というだけでは、第三者(労基署・取引先・監査)への説明として不十分になるケースがあります。
特に、客先常駐や直行直帰、テレワークが混在する働き方では、勤務実態を裏付ける客観的な情報がなければ、企業として説明責任を果たすことは難しくなります。
このように考えると、これからの勤怠管理には「打刻」だけでなく、勤務実態を補足・裏付けできる仕組みが求められていることが分かります。
勤務実態を補足できる手段として注目されている「ビーコン勤怠」
こうした背景から、近年注目されているのが、位置やエリア情報を活用して勤務実態を補足できる勤怠管理の考え方です。
その一つが、ビーコンを活用した勤怠管理、いわゆる「ビーコン勤怠」です。ビーコン勤怠は、従来の打刻データに加えて、
- どのエリアで勤務していたか
- 勤務開始・終了時にどのような行動があったか
といった情報を補足することで、勤怠記録と勤務実態の整合性を説明しやすくすることを目的としています。
これは、労基法改正への直接的な「対応策」というよりも、労基署対応や取引先監査において、企業が説明責任を果たすための一つの選択肢と位置づけることができます。
特に、客先常駐や複数拠点勤務、テレワークが混在する環境では、従来の勤怠管理だけでは把握しきれなかった部分を補完できる点が評価されています。
よくある質問(FAQ)
ここまでの内容を踏まえ、実務の現場でよく寄せられる質問を整理します。

まとめ|2026年労基法改正に向けて企業が今やるべきこと
2026年の労基法改正は、現時点では施行時期や改正内容が確定していません。
一方で、厚生労働省の研究会・審議会では、労働時間管理や勤怠管理のあり方について、継続的な議論が行われています。
重要なのは、法改正の有無にかかわらず、企業の労働時間管理に対する説明責任はすでに存在しているという点です。
- 労働時間を適切に管理できているか
- 勤務実態を客観的に把握できているか
- 第三者に対して説明できる状態になっているか
これらは、将来の制度変更を待たずとも、労基署対応や取引先からの労務管理チェックにおいて、今まさに問われているポイントです。
特に、客先常駐やテレワーク、複数拠点勤務などが混在する企業では、従来の勤怠管理だけでは説明が難しくなっているケースも少なくありません。
そのため、労基法改正を「将来の話」として捉えるのではなく、現在の勤怠管理が、説明責任に耐えうる状態かどうかを一度整理することが、現実的で有効な第一歩と言えるでしょう。
自社の勤怠管理は「説明できる状態」になっているか?
自社の勤怠管理が本当に「説明できる状態」になっているかどうかは、実際に第三者の視点で確認してみないと分からないことも多くあります。
特に、客先常駐・テレワーク・直行直帰などが混在している場合、日々の運用に問題がなくても、説明責任の観点では不十分になるケースもあります。
こうした背景から、勤務実態を補足・可視化できる仕組みとしてビーコンを活用した勤怠管理に関心を持つ企業も増えています。
まずは情報収集として、ビーコン勤怠の考え方や仕組みをまとめた資料をご覧ください。
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