2021.05.23 位置情報

スーパーシティ構想と位置情報

内閣府国家戦略特区は、4月20日付のプレスリリースで、「スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する公募」に対して、令和3年4月16日に公募を締め切り、合計31の地方公共団体から応募があったことを明らかにしました。この記事ではこの「スーパーシティ構想」の概要と位置情報との関連について解説します。

スーパーシティ構想とは

近年、AIやビッグデータなど先端技術を活用し、都市内の様々な事業やサービスに共通に使用できるデータ基盤を整備することによって、社会の在り方を根本から変えるような都市を設計する動きが国際的に急速に進展しています。こうした状況も踏まえれば、政府では、大胆な規制改革等によって、世界に先駆けて未来の生活を先行実現する「まるごと未来都市」、スーパーシティ構想の実現を目指しています。スーパーシティ構想の制度的枠組みを定めた「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」が成立し、これらに基づき、政府においてスーパーシティ型国家戦略特区を指定するための準備を行っています。

スーパーシティとスマートシティの違い

日本においてスマートシティという言葉が語られるようになったのは、2000年代になってからだと言われています。2009年に開発が始まった「柏の葉スマートシティ」、2010年には経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証事業として、横浜市、豊田市、京都府けいはんな学研都市、北九州市の4地域でスマートシティプロジェクトが動いています。当時は主に、HEMS等のエネルギーのスマート化が注目されました。これらの取り組みは、一定の成果があったと言えますが、エネルギー・交通などの個別分野での取組、個別の最先端技術の実証などにとどまっていました。

一方、スーパーシティ構想は「技術の先進性」を競い合うのではなく、「住民の参画」で浮き彫りとなった「根深い問題」を、早期解決に導くITテクノロジーを「実装」し、地方の生活水準を上げ「脱都市化」を図り、継続的な経済発展を目指していく取り組みです。IT技術の進化という、未来都市創生の手段が「目的化」するのではなく、あくまで住民目線で課題を解決する取り組みをを、スマートシティと区別する意味で「スーパーシティ」と呼んでいます。

スーパーシティの応募自治体

スーパーシティの心臓部 都市OS

日本のスマートシティの実現に向けた課題として、①サービスの再利用・横展開、②分野間データ利活用、③拡張性の低さ、の三つがあります。①サービスの再利用・横展開において、従来は分野や組織ごとに個別特化したシステムとなっており、そのため他地域への再利用や横展開が困難であるという課題がりました。②分野間データ利活用において、従来のサービスは分野や組織ごとにデータが独立しているため、分野間を横断した新サービスの構築が困難という課題がありました。③拡張性の低さにおいて、従来の個別特化したシステムでは、機能拡張によるコストや労力が大きくなり、継続的かつ容易にサービスを進化できないという課題がありました。

これらの日本のスマートシティの実現に向けた課題への対策として、①相互運用(つながる)、
②データ流通(ながれる)、③拡張容易(つづけられる)を都市 OS の特徴として都市OSを設計することとしました。
都市OSの実現として注目されているのが、「FIWARE(ファイウェア)」です。
「FIWARE(ファイウェア)」はEU(欧州連合)において、官民連携投資によって開発・実証された次世代インターネット基盤ソフトウェアです。オープンソースソフトウェア(OSS)として提供され、100以上の都市で実証実験が行われています。日本で行われているいくつかの実証実験でもFIWAREが採用されています。

FIWAREのような都市OSを中心にして、スーパーシティを構築しよう、という構想があります。

スーパーシティの基本構想

都市OSと位置情報

スーパーシティ構想で期待されるサービスは、教育、見守り・安全、防災、自動走行・自動配送、エネルギー管理、水・廃棄物の管理、金融、医療・介護など、現代都市の課題となっているもの、ほぼすべてです。
これらのサービスの基盤としてキーとなるのが「位置情報」です。位置情報を活かしたサービスには例えば以下のような物があります。

  • 清掃車・除雪車のような公用車の走行ルートの最適化
  • ドローンによるインフラ点検・物流サービス
  • 自動走行・自動配送
  • 物流パレットやトレーラーの位置情報管理
  • 災害時のインフラ早期復旧
  • コミュニティバスの運行管理
  • シェアサイクルの運用管理

位置情報ゲートウェイの必要性

車両や物品の位置情報をスーパーシティで活用するには、都市OSのAPIにあわせてデータを提供する必要があります。これらはGPSトラッカー等のIoTデバイスが用いられますが、これらはスペックや用途によって様々なものが存在しています。IoTデバイスのような組み込み機器では、都市OSにあわせて柔軟にデータを送信することが不得意なことが多く、このままでは都市OSで利用できるIoTデバイスが限定されてしまうことになりかねません。
スーパーシティ構想をスムーズに進めるためには、IoTデバイスを束ねて様々な都市OSのAPIにあわせて位置情報を提供する 「位置情報ゲートウェイ」が必要になるでしょう。

スーパーシティと位置情報サービス

位置情報ゲートウェイに適したサービス

位置情報追跡サービス「Linkit GPS Tracking」

位置情報ゲートウェイサービスに適したサービスとして、ACCESSが開発した「Linkit GPS Tracking」があります。Linkit GPS Trackingは、都市OSに適した以下のような特徴を持つ位置情報管理サービスです。

  • ユーザー認証・通信セキュリティを完備
  • 評価・確認済みのトラッカーデバイス
  • 屋内・屋外のハイブリッド測位に対応
  • ゼロコンフィグ(設定済の状態で提供)
  • シンプルで誰でも使える

スーパーシティのインフラとして求められる、セキュリティ、導入の簡単さを備えたサービスです。
さらに、都市OSの実装状況にあわせてAPIを拡張したり、用途に応じて様々なネットワークやデバイスを拡張することができるため、実証実験にも柔軟に対応出来ます。

まとめ

  • 2020年に「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」(スーパーシティ法)が成立し、データの利活用によるスーパーシティ実現の取り組みがはじまっている
  • かつてのスマートシティの反省を活かし、①相互運用(つながる)、②データ流通(ながれる)、③拡張容易(つづけられる)新しいスマートシティを目指している
  • 新しいスーパーシティのデータ流通のため、都市OSが整備される
  • 都市OSで位置情報を扱うために、「位置情報ゲートウェイ」が必要になる

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