株式会社TBSテレビ様
Linkit Maps
働き方改革最前線:位置情報+即時コミュニケーションで、TBSテレビの取材が劇的に変化
株式会社TBSテレビ 報道局 総合編集センター編集部 統括編集長
佐藤 茂樹 様(以下、敬称略)
株式会社TBSテレビ 報道局 映像取材デスク
笠尾 弘高 様(以下、敬称略)
株式会社ACCESS IoT事業部サービス開発部長
小松田 薫
報道の現場ではコミュニケーションの円滑化を特に意識
小松田:まずは、お二人の業務内容について簡単に教えていただけますか?
佐藤:統括編集長として、JNN28局の報道部門の統括役をしています。他には部署間のコミュニケーションが円滑にいくように、常に意識していますね。
笠尾:私はデスクとして、現場の取材クルーのまとめ役・安全管理をしています。取材というのは、カメラマンと記者で取材クルーを構成して行うんです。デスクはまず、取材クルーの割り振りを行い、クルーがどこで、どのような取材をしているのかを把握しながら、取材の中身や必要な映像について管理します。
デスクへの情報集中が取材における業務課題だった
小松田:Linkit Mapsを導入する前、取材に関してどのような課題を感じていましたか?
佐藤:Linkit Mapsを入れる前は、一人のデスクがすべての情報を集約・判断していました。デスク一点集中の枠組みです。ここ数年、生番組が増えてきており、番組中に事件や災害が起きるとリアルタイムで対応しなければなりません。デスクが個別に、電話やメールで取材クルーとの情報共有をしなければならず、その最中に原稿を求められたりして、さばき切れる分量を超えていたと思います。デスクにかかる負荷はどんどん増えてしまい、物理的にもやりきれなくなっていました。
ちょうど良いツールだった Linkit Maps
小松田:そこで、チャットツールが必要になったんですね。
佐藤:実は、チャットよりも先に位置情報共有ツールが欲しかったんです。災害取材の現場では、取材クルーが分担してそれぞれの現場へ向かいます。デスクがいる取材の本部には、ホワイトボードで各クルーの行先を記入していたのですが、30分すると管理できなくなってくる。みんなどんどん移動してしまうんですね。その時、各クルーの位置が共有できるツールが欲しい、と思ったんです。
小松田:位置情報共有の要望のほうが強かったんですね。
佐藤:はい。安全管理の側面もあります。特に災害取材では、クルーの安全管理は非常に大きな課題です。その時、いろいろと探したのですが、ちょうどよいツールが無かったんですね。それでまず、ビジネスチャットを導入して情報共有しよう、と思ったんです。
小松田:Linkitを選んでいただいた理由を教えていただけますか?
佐藤:ビジネスチャットとしては、まずは個人向けのチャットを使っていたんです。しかし、参加者が多くなるにつれて、参加者の識別が難しくなりました。「猫の写真が貼られたマリちゃん」って誰だよとか(笑)。そこでビジネスチャットとしていくつかアプリを試しに使ってみたんですが、Linkitが一番分かりやすかったです。説明書や使い方の手引きを見なくても、普通に触ってればみんな使えちゃうのが大きかったです。
あとは利用料金が比較的リーズナブルだったのが良かった。利用人数が多かったので助かりました(笑)
その後、ACCESSさんに要望を聞いてもらい、Linkit Maps で当初の目的だった位置情報共有機能が実現できたんです。
小松田:お待たせして申し訳ありませんでした(笑)
Linkitによりリアルタイムの位置共有により取材スタイルが劇的に変化
佐藤:Linkit Maps導入後は、取材スタイルが劇的に変化しました。
情報や位置情報を、デスク一人がさばくのでなくて、すぐにチーム全体で共有することができる。チームが自律的に動くし、デスクは全体状況を把握しながら適切なタイミングで指示するというふうに変わりました。コミュニケーションと位置情報を両方管理できるLinkit Mapsは、取材スタイルを大きく変えたんです。
笠尾:まず、Linkitのチャット機能により、電話問い合わせが劇的に減りましたね。災害時には電話がつながりにくい場合もある。その点 Linkitならつながる、という場面は良くありました。
また、Linkit Mapsが入ったことにより、土地勘のない場所でクルーがどのように展開しているのかが可視化され、遠隔からカメラクルーを誘導するのが画期的に簡単になりました。展開している記者カメラマンからすると、自分の周りにだれがいるのかを把握するに便利ということもあります。
佐藤:災害が起きたときの取材体制が立ち上がるスピードは驚くべき早さになりました。
大規模災害時には、JNNの各局と協力して取材する必要が、別会社の集まりを調整するのは、すごく難しかったんです。Linkit Mapsを導入してから、位置情報も含めた必要な情報が全体に伝わり、各局が自律的に動くことができるようになりました。
G20サミット取材で発揮されたLinkit Mapsの機能
笠尾:G20サミットの取材では、大阪の系列局であるMBSとTBSとのコラボでした。
Linkit Maps なら、知らない記者やカメラマン同士の位置が共有できますし、誰かが入手した文書や情報も写真などですぐに共有出来ました。
また、G20サミット時は大阪の交通規制が厳しくなり、交通規制が敷かれた状態でどういう風に動く必要があるかを地図上で確認しながら取材することが出来ました。
佐藤:大阪の会社と東京の会社は別会社です。今まで会ったこともない記者やカメラマンとのコミュニケーションでも、Linkit Mapsなら簡単にできます。
また、今まで接したことがない記者が、Linkitのチャットに専門的な知見を書き込んでくれたことがあり、JNNの中にこんな高度な知識を持った人がいるんだ、という新たなる発見もありました。JNN全体の結束力も高くなりました。
災害取材現場でLinkit Mapsの移動履歴が活かされた
笠尾:Linkit Mapsでは、移動履歴を確認することができますが、地震取材のときにこれが役立ちました。災害で道が寸断された際に、先発したクルーが通った経路を確認することにより、後発のクルーもそこをたどっていけば進める、ということがすぐ共有できたんです。今までは電話でやり取りしてましたが、伝えるのが難しかったですから。
スマートフォン以外でも位置情報を取得:「GPS SLIM」の活用例について
笠尾:弊社では台風並びに地震などの災害取材時において、安全管理上、クルーの位置情報を把握するため、これまでスマホにインストールした「Linkit Maps」を使用してきました。
スマホのGPS機能を活用して、現場の位置情報を確認してきましたが、これでは、現場に展開するスタッフから「スマホのバッテリーの消耗が気になる」と言う意見があったため、GPSトラッカーを導入しました。
GPSトラッカーはスマホとは独立した端末であるため、スマホのバッテリーを気にしませんし、ONにしたままで取材期間の充電が不要です。
また本体のON/OFFも会社を出発するときに行えば、現場でのスイッチの入れ忘れがありません。
さらに大きさも非常にコンパクトなため、カバンに入れても邪魔にならず、ズボンのポケットなどに入れておくことができて、現場スタッフからも好評です。
GPSトラッカーは、報道で利用しているオートバイや中継車の位置情報など「Linkit上のチャットのやり取りは必要ないが、位置情報はリアルタイムで把握したい」といった場合に利用しています。
この機能を利用すれば、被災地で幹線道路が通行止めになっていても、先遣隊が通った経路などが遡って確認できるため、後続のクルーを誘導するなど、我々にとって無くてははならないツールとなっています。
Linkit Mapsに今後期待する機能
小松田:今後Linkit Mapsに期待する機能は何かありますか?
佐藤:Linkit Mapsの地図に、警報、注意報、雨雲レーダーなどが重ねられたら便利だと思います。安全管理への要求が昔に比べれば厳しくなっています。取材クルーの安全管理は大きな課題です。
小松田:ご意見ありがとうございます。今後ももっと、Linkit Mapsを業務に生かしていただけるように改善してまいります。